OBK - 大田ビジネス創造協議会

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ご無沙汰しております。
 ご報告が遅れましたが、目黒区のインドアプレーンをつくろう講習会は,無事終了いたしました。
以下簡単なご報告です。






 今回は、実現可能なギリギリのプランとして電気二重層コンデンサーで飛行するフリーフライトの室内機の製作を行ないしました。
とはいっても市販にあるような扁平な翼と細い角材の胴体のようなものでは特長もなく、つまらないので本物のような飛行機の形をした、本物のように飛ぶ機体を飛ばそうと考えました。

 これは、私自身の経験でもありますが、初心者ほど飛行機の格好にこだわります。強いていえばプラモデルの飛行機が本物のように飛ぶことを夢見がちです。これを無理だ、もの知らずだとするのは簡単ですが、挑戦してみる価値はありました。社内の設備を使えば、材料費などのお金もそれほどかからないかと思い、なんとか挑戦することにしました。

 都会の学校の小さな体育館などでの室内飛行を考えると機体の大きさは,翼長50cm程度が限界かと思いました。これだと少し大きなプラモデルの大きさです。形はフリーフライトでも安定のいい、パイパーカブのような高翼機にしました。
 実は,私自身が小学校のころ、模型屋さんの天井に吊るしてあったラダーオンリーのラジコン機パイロットJrやピクニックJrが本機のイメージです。本物のような形の本当に飛ぶ模型飛行機をはじめて見た感動は、今でも覚えています。この機体を本物に近い、ゆったりとした飛びにするには,全備重量20g以下、できれば15g以下の重量で、翼面荷重が5g/dm2を切るようにしないといけません。実際の全備重量は,17gになりました。
 機体と主翼は,主に1mm厚のスチレンペーパーで肉抜きしたフレーム構造を作り、そこに薄いガンピ(和紙)を貼るものです。簡単な構造計算と部分模型による強度試験も行いました。バルサ製やスチレンペーパーのモノコックやボックス構造も試しましたが、この構造より軽くできませんでした。
 試作機は,組み立て工法の検討を含め試行錯誤を繰り返し30機近く作りました。小学生の工作レベルにあわせるため、組み立て工法も工夫しました。
 設計図なしでも空中で正確に機体を組み立てることができる構造です。主翼は,クラークYもどきの肉厚翼でDボックス構造を持っているため重さの割に丈夫です。失速角も深くなります。この組み立て方法は,一つ一つはペラペラで、たよりないスチレンペーパーの部品を組み立てていくと、だんだん丈夫なフレーム構造が出来ることを実感できるため、講習会にはこれに感激する人もいました。
 本機の組み立て方法については,一部知的所有権を申請中です。複雑な部品が多いのでレーザーで切り抜きますが、レーザーの出力を下げないと溶けたり、燃えたりしてうまく切るにはコツがいります。この機体用のレーザーの加工プログラムなどは、土日を使って私自身が作りました。
 モーターは、携帯電話の振動用の6mmのものを使いました。市販のコンデンサープレーンは,簡単な構造で5g以下のものが多く、これと同じコンデンサーで15gの機体を飛ばすため、動力系は徹底的に見直す必要がありました。
 プロペラは,効率を考えて12cmのゴム動力用の比較的ピッチの深いものをゆっくり回すことにしました。このためギアユニットは、社内の設備を使い、モジュール0.3の減速比約15:1の二段式カスタム品を、経費節減のため、仕事の合間に私自身で金型を作って製作しました。額面上は、これで200~300万円くらいの経費節減になります。1mmのベアリングを入れることもできます。
 このギアユニットは、当然量産が可能です。市販のモータープレーンは直結か一段減速ですが、これでは、モーターの最適負荷とプロペラの回転抵抗がバランスせず、効率のわるいものになっていると思いますが、誰も気づかないようです。コンデンサーやスイッチを載せた電子基板は内製しました。試行錯誤を繰り返し、8月上旬には目黒区の工作教室専用のインドアプレーン20数セットを無事用意することができました。時間的な制約もあり、十分な説明資料が作れなかったのは残念です。

 講習会当日、集まった人たちは,大半が小学生と中学生、それに20代の女性でした。
当社から飛行機好きの私の部下が2人手伝いにきてくれました。壊してもよいように部品も余分に用意しました。組み立てを手伝いながらほぼ全員の機体を完成することができました。70%の人は、自分で作った機体で飛行に成功しました。
その内、半分くらいの人が手投げだけではなく、動画のように離陸から水平飛行までいきました。
中には、中学生のお姉さんについてきた小学2年生の子が、自分で組み立てた飛行機を完全に飛行させることができた例もありました。工学的センスは、年齢には関係しないかもしれません。経験がないせいか、やはり機体の組み立てよりは、紙貼りに手こずった人が多かったようです。
しかしこの機体は多少の狂いがあっても正常に飛ぶような余裕をもたせた設計ですので、大きな問題にはなりませんでした。

蛇足ですが、この機体は,モーターなしでは、揚力尾翼形式で、モーターを積むと通常のトラッカー形式でそれぞれ重心や揚力のバランスが取れるような設計をしました。動力飛行が無理でも手投げのグライダーになります。結果、子供たちも夢中で、帰りたがらない子も出てきたくらいで、目黒区の方にも大変喜ばれました。
この機体は、多少の改良を加え、10月の飛行ロボットコンテストの賞品に提供させてもらう予定です。また日本では体育館などを室内環境を利用できない人がほとんどなので、風のない日に公園で安全に飛ばせるような、この機体の125%モデル(30?40g)のRC機も開発中です。どちらの機体も近い将来当社から発売したいと考えております。

次は同様な形式で、以前OBKで計画していたプッシャー型の水上機モデルを作ろうかと考えています。
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